手に取った瞬間、誰もが「かわいい!」と声を上げる。贈ったこちらもうれしくなる。それが成田名物の「ぴーなっつ最中(もなか)」だ。 少し大きいが本物の落花生そっくりの形をした最中は、透明のビニール袋の上から目と口、手足が描かれている。今にも踊りだしそうなひょうきんな仕草(しぐさ)が、見れば見るほど愛らしくて、ついついテーブルに並べて眺めてしまう。食べるのが惜しい逸品だが、味自慢の最中なのだ。
上等のお茶を用意してかぶりつく。餡の味を全く邪魔せず、すーっと舌の上で消えていく。なんと口溶けのよい皮だろう……。そして、白いんげん豆、あずき、ピーナッツペーストなどを練り込んだ餡は実にあっさりした後味で、軽やかな甘みだ。もち米入りなので舌触りのもちもち感もたまらない。さらに、落花生の甘露煮がこっそり餡の中に潜り込んでいて、「う~ん、さすが!」と、うなってしまった。
製造元は明治32(1899)年創業の老舗和菓子店「なごみの米屋」。創業者の祖先は成田山新勝寺の本尊不動明王と仏縁があり、米屋總本店の敷地内には今も不動尊が祭られている。ご利益がありそうな最中で、ティータイムをどうぞ。
Data
店名:なごみの米屋 總本店
住所:千葉県成田市上町500
電話:0476-22-1661
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