徳川最後の将軍が過ごした緑鮮やかな日本庭園
料亭・浮月楼(ふげつろう)は、かつて徳川幕府の代官屋敷があり、15代将軍徳川慶喜が大政奉還の後に20年間過ごした地に建てられた、静岡市の〝迎賓館〟です。ここは幕臣であった渋沢栄一が主君・慶喜を迎えるために準備を整えたところで、彼が日本で初めての株式会社といわれる「商法会所」を創立し、自ら頭取格として指揮をとったのもこの場所でした。
池泉回遊式の日本庭園は、明治2(1869)年に慶喜が移り住むと同時に整備されました。この庭は、同地が民間に払い下げられた明治25(1892)年に開業した浮月楼にも引き継がれ、今も四季の移ろいを楽しめる優雅な庭として愛されています。
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