Q これまでは、日本人だけを採用してきましたが、人手不足解消のため、外国人も採用しようかと考えています。在留資格とは、どのようなものなのでしょうか。
A 外国人は、在留資格で認められている範囲内でしか就労することができません。在留資格は33種類あり、2019年4月から、「特定技能」が加わりました。「特定技能」とは、不足する人材の確保を図る必要のある産業の分野で働くための在留資格です。特定技能1号は、相当程度の知識または経験を要する技能を要する業務に従事する者、特定技能2号は、建設業、造船・船用工業で熟練した技能を要する業務に従事する者の在留資格です。
在留資格と外国人の就労
外国人は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」といいます)で定められている在留資格の範囲内で、日本における活動が認められています。
在留資格は、2015年4月から33種類となり、さらに、19年4月から「特定技能」という新しい在留資格が創設されました。
そのうち、一般企業における就労が可能な在留資格を例示すると以下の通りです。
①技術人文知識国際業務
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学、その他の自然科学の分野もしくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術もしくは知識を要する業務、または外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務に従事する者の資格です。
例えば、技術者(コンピューター技師、設計技師など)、企業の語学教師、通訳、為替ディーラー、デザイナーなどが該当します。
②経営・管理
本邦において貿易その他の事業の経営を行い、または当該事業の管理に従事する者の資格です。
例えば、企業の経営者や管理者が該当します。
③技能
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する者の資格です。
例えば、調理師、ソムリエ、職人(宝石、貴金属の加工技能者など)が該当します。
④特定技能
特定技能は、不足する人材の確保を図る必要のある産業の分野で働くための在留資格で、「特定技能1号」「特定技能2号」があります。
不足する人材の確保を図る必要のある産業の分野としては、介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・船用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業などが予定されています。
特定技能1号は、前記産業の分野において、相当程度の知識または経験を要する技能を要する業務に従事する者の在留資格です。また、特定技能2号は、前記産業の分野のうち、建設業、造船・船用工業で熟練した技能を要する業務に従事する者の在留資格です。
⑤高度専門職
高度の専門的な能力を有する者で、「高度学術研究活動」(本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導または教育をする活動)、「高度専門・技術活動」(本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学または人文科学の分野に属する知識または技術を要する業務に従事する活動)および「高度経営・管理活動」(本邦の公私の機関において事業の経営を行い、または管理に従事する活動)の三種類に分類されています。
学歴、職歴、年収などの項目でそれぞれポイントが定められており、そのポイントの合計が70点以上になると高度専門職の在留資格に該当することになり優遇措置の対象となります。
⑥日本人の配偶者、実子、永住者、永住者の配偶者、実子
これらの者には、就労に関する制限はありません。
次号では、就労が可能かどうかの判断方法について解説します。 (弁護士・山川 隆久)
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