〝キャッシュレス社会〟の現状探る
福井商工会議所国際ビジネス委員会は3月4~8日、中国で急速に普及しているモバイル決済とこれを活用した新たなサービスの現状を把握するため、浙江省杭州市と上海市へ視察団を派遣した。モバイル決済とは、スマートフォンアプリに電子マネーをチャージし、店頭の二次元コードを読み取ることで決済する方法。中国では、これにより財布を持たずに買い物できる環境が整っているという。
視察団は、同所議員を中心とした会員企業経営者ら総勢28人。モバイル決済によるセルフレジを導入している食品スーパー「盒馬鮮生」や、同社を傘下に置く中国の代表的電子商取引(EC)企業「アリババグループ」、越境ECサイト「コアラ」を運営する「網易」などを視察した。
また、浙江省経済交流促進機構への表敬訪問も行った。同機構は、福井県と浙江省の友好提携に伴い両省県の経済分野での交流を促進する目的で設置された組織。両省県は今年、友好提携25周年を迎えることから、年内に双方の代表団を相互派遣することや、今後も交流を深化する意向を確認した。
視察参加者は、「中国も人口減少が進展する中、モバイル決済はレジ担当スタッフの削減に貢献しているようだ。一方で、スマホを使いこなせない高齢者が社会の流れから取り残されたり、悪意のある二次元コードを読み込んで詐欺に遭ったりといった問題も生じている。課題はあるが〝実践しながら改善する、まずはやってみる〟という中国のビジネスのスピードを肌で感じた」と話している。
最新号を紙面で読める!