静岡県三島市にある老舗和菓子店「兎月園」はこのほど、三島商工会議所と三島市で構成するみしま経営支援ステーションのサポートを受け、和菓子づくりキット「わのと」を商品化した。パリで2月17～19日に開催された日本食展示会「セボン・ル・ジャポン フランス・パリ」で日本に先駆けて「わのと」を発売し、続いて日本でも販売を開始。以前から参加していた同所主催の「なりわい体験」で、和菓子づくり体験が有料でも人気だったことから着想したという。

コロナ禍で店頭もネットも売り上げが減り、危機感を覚えた同社代表取締役の綾部剛さんは、和菓子を買って食べることをエンターテインメント化して和菓子の価値を高めたいと考え、自宅で和菓子をつくるキットを考案。「職人の技術を動画で伝えるため、世界中で楽しんでもらえるのではと思っていました。パリで開催される日本食の展示会に出展したところ、現地の方に初めて食べる練り切りをおいしいと言ってもらえました。今後もさまざまな国で和菓子を広げる活動をしたいと考えています」と今後の展開に期待を寄せる。