しなの鉄道
「ヤギの駅長さん」や「懐かしい色の列車の復活」など、常にユニークな企画で誘客を行っている長野県のしなの鉄道。鉄道ファンをはじめ、多くの観光客が期待するのは徹底した「おもてなし観光」の姿勢だ。
「自治体や地域住民と力を合わせ、一緒に発展していきたい」と話すのは就任3年目の玉木淳社長。開業20周年の記念事業として、軽井沢「駅ナカ」の大型リニューアルと旧駅舎を復活させ、駅の利活用を促進する取り組みに注力して、家族連れなどでにぎわう駅づくりに成功した。2014年には「しなの鉄道沿線地域の魅力満載列車」をコンセプトにした観光列車「ろくもん」の運行を開始。長野駅から軽井沢駅間を約2時間20分で走行する間に、のどかな風景を楽しみながらこの地の歴史や文化に触れ、食を満喫できるレストラン列車だ。沿線にある名店の食事はもちろん、軽井沢駅での専用ラウンジや途中停車駅の地域色あふれるおもてなしは「ろくもん」ならでは。たとえば上田駅では、甲冑(かっちゅう)姿の上田駅長が出迎え、「ホラ貝」の出発合図が響く。また、数多くの人気列車のデザインを手掛ける水戸岡鋭治氏の作品としても知られ、長野県産の木材を使ったぬくもりある空間となっている。
昨年4月には、姉妹都市で、NHK大河ドラマでも話題となった上田市と上越市の交流を取り持ち、観光列車の相互乗り入れなど、多角的におもてなし精神を貫く同社。地域との連携でさらなる発展が期待できる。
お問い合わせ
所在地:長野県上田市常田1-3-39
電話:0268-21-4700
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