容器包装リサイクル法(容リ法)の対象となる容器包装が家庭から排出されたごみ、いわゆる「家庭系ごみ」であることは、容リ法を耳にしたことがある方であればご存じの方も多いと思われます。しかし、容リ法の条文に「家庭系ごみ」という用語は一切登場しません。
今回は、容リ法第2条の定義に触れながら、容リ法の適用範囲がなぜ「家庭系ごみ」のガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装なのかについて解説していきます(第2条については、(1)参照)。
「家庭系ごみ」がリサイクル対象に
容リ法における容器包装とは、「商品の容器及び包装であって、当該商品が費消され、または当該商品と分離された場合に不要になるもの」をいい(2条1項)、容器包装のうち、産業廃棄物以外の一般廃棄物である容器包装を「容器包装廃棄物」といいます(2条4項)。
一般廃棄物は通常、「家庭系ごみ」「事業系ごみ」「その他」に分類され(図参照)、市町村が定めた処理計画の下、処理されます(廃掃法6条)。一般廃棄物のうち、「事業系ごみ」は、事業者が自ら処理することが原則(廃掃法3条)であり、「その他」についても、廃掃法で処理方法が別途定められています。
これにより、市町村が処理すべき「容器包装廃棄物」は、「家庭系ごみ」となります。
特定分別基準適合物に再商品化義務
そして、市町村が「容器包装廃棄物」について、プラスチック、ガラス、紙、金属などの材質に応じて分別し、それを収集して得られたものを「分別基準適合物」といいます(2条6項)。「分別基準適合物」となる容器包装は8種類あります((2)参照)。
このうち、ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装の4種類については、容リ法制定当時、これらは資源価値が低く、市町村が分別収集してもお金を支払わないとリサイクルできない状態であったため、「特定分別基準適合物」(2条7項。容リ法施行規則4条)として定めることで、特定事業者に再商品化義務を負わせ、円滑なリサイクルの促進が図られることになりました。
次回は、基本方針等(3条から6条)について解説していきます。
(1)容器包装リサイクル法および関連法令集はこちら https://www.jcpra.or.jp/Portals/0/resource/aboutlaw/houritsu011.html
(2)容リ法の対象となる「容器」「包装」、素材はこちら https://www.jcpra.or.jp/law_data/tabid/988/index.php#Tab646
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会▶https://www.jcpra.or.jp/
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