不動産不況、雇用悪化など低迷する中国経済の中で、部分的に急成長し、明るさを示す分野がある。自動車のBEV、PHVなど「電動経済」、ドローンを使って低高度空域でビジネスを開発する「低空経済」、高齢者向けの商品やサービス、介護といった「銀髪経済」などである。中国経済全体を持ち上げるほどの力はないにせよ、特定分野が伸びることで活気を維持する「セグメント型成長」に中国経済は移行しつつある。
2024年の中国の自動車販売台数は過去最大の3143万台となったものの、前年比では4・5%増と勢いはない。だが、EVとPHVを合わせた電力を駆動力とする車は35・5%増の1286万台と好調で、自動車販売全体の40・9%を占めるまでになった。伸び悩む自動車産業を「電動経済」がけん引する姿がはっきりし始めた。