潜在的な優秀層が企業の業務を支援する人材サービスを提供
株式会社ウマント・ラボ 代表取締役 向井 絵里子(むかい・えりこ)
ライフイベントに左右されず女性が働けるように
起業の原動力となったのは、働く女性が抱える理不尽な現実に直面し、拭い切れない違和感を覚えたことでした。 前職時代、産休から復帰した同僚が、子どもの体調不良で保育園からの呼び出しを受けるたび、周囲に幾度も頭を下げて職場を後にする姿を、何度も目にしました。育児という社会を支える重要な貢献をしているはずの彼女が、なぜ職場でこれほどまでに肩身の狭い思いをしなければならないのか。その光景に強い憤りを感じたのです。
一方で、私は長年人材採用の現場に身を置き、労働人口の減少による深刻な人手不足を痛感してきました。育児や介護を「就業のリスク」と捉えて放置することは、個人のキャリアを阻害するだけでなく、企業の成長をも妨げる大きな要因となっています。 キャリアコンサルタントとしての経験を生かし、この二つの課題―「女性がライフイベントに左右されず働ける環境づくり」と「企業が潜在的な優秀層を活用できる仕組みづくり」―を同時に解決すべく、2020年3月に起業を決意しました。
当社は「働くことがもっと自由で、自分らしいものになる社会」の実現を掲げています。 主力事業であるオンライン事務代行では、ライフイベントでキャリアを中断したものの、高い意欲を持つ在宅ワーカーが数多く活躍しています。当社は彼女たちの社会復帰に向けた「ファーストステップ」となることを目指しています。
そして、当社の最大の特徴は、オンライン事務代行と有料職業紹介を組み合わせた、中長期的な人材活用支援モデルにあります。事務代行を通じて実際の業務実績を積み、適性を見極めた上で職業紹介を行い、採用後のミスマッチを大幅に軽減しています。企業にとっては「実力が見える」安心感を、働き手にとっては「自分に合った職場」との出会いを提供しています。
企業が求める人材を育成し高レベルのマッチングを実現
この仕組みを成立させるためには、単なる業務委託のマッチングでは不十分です。在宅ワーカー一人一人のスキルだけでなく、価値観や働き方、家庭状況までを理解した上で適切な業務を設計し、継続的にフォローしていく必要があります。特に、個々の状況が異なる中で再現性あるモデルを構築することは容易ではなく、現在も試行錯誤を重ねながら体制の高度化を進めています。
今後は、在宅ワーカーのスキル向上を体系的に支援する教育プログラムの整備を進めていきます。企業が求める人材像に応じた育成を行うことで、より高いレベルでのマッチングを実現し、このモデルの再現性を高めていきたいと考えています。また、地方においても同様の課題は顕在化しており、地域ごとの特性に応じた展開も視野に入れています。
会社データ
社名 : 株式会社ウマント・ラボ
所在地 : 大阪府大阪市北区堂山町1-5 三井梅田ビル7階StartupSide Osaka内
創業 : 2020年
事業概要 : オンライン事務代行・有料職業紹介
【大阪商工会議所】
HPはこちら : https://womanto.co.jp/
※月刊石垣2026年6月号に掲載された記事です。
