1992(平成4)年に発足した一般財団法人地域伝統芸能活用センターが、長年の役割を終えることになった▼
「地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律(いわゆる「お祭り法」)」を根拠に設立された団体である。祭りや民俗芸能を観光資源として位置付け、その実務を担う組織として、これまで「地域伝統芸能全国大会(日本の祭り)」や顕彰事業などを展開してきた。しかし、コロナ禍の影響もあり、主要事業は2022年、第30回に当たる山口大会をもって終了した。そして本年8月、他団体と合併の上、消滅することとなった▼
地域の祭りは、地域コミュニティーの維持・再生、観光や地域産業と連動した地域活性化に大きな役割を果たすことが注目されている中であり、誠に残念である▼
センターの活動の中には「まつりーと」というユニークな仕組みもあった。各地の祭りは財政負担とともに担ぎ手不足という大きな課題を抱えている。その担ぎ手を地域外から募集するための「参加プログラム」を作成し、担ぎ手を確保するという、いわばマッチングの仕組みである。ただ現実には、地域外の人間を入れることへの氏子などの抵抗もあり、必ずしもうまく機能しているとはいえない状況もあった▼
地域伝統芸能の保存・活用には文化庁も支援措置を設けている。19年に創設された「地域文化財総合活用推進事業」などは、地域伝統行事・伝統芸能の消滅防止と継承基盤の整備などの支援も目的としている▼
地域の祭りや芸能・技能といった無形の文化財の保全・活用は、地域の誇りの醸成とともに、地域活性化の起爆剤にもなる。その新たな受け皿組織の設立が急がれる
(観光未来プランナー・丁野朗)