ビールの製造とともに石巻の価値向上を目指す
株式会社イーチ・アザー 代表取締役CEO 高橋 由佳(たかはし・ゆか)
起業のきっかけは1株のホップから
私が起業したきっかけは、知人から「ホップを植えてくれる農家を探しているのだが、やってもらえないか」と依頼されたことでした。それから、就労に困難を抱える若者たちとともに、耕作放棄地にホップを植え始めたのですが、大きく伸びたツタや花の香りに魅了され、「もっとホップを育てたい、そしてこのホップで自分たちのビールをつくりたい」という思いが膨らんでいきました。
最初はOEM(相手先ブランドによる生産)で醸造し、販売をしていましたが、「いつか石巻に自社醸造所をつくりたい」という夢を常に抱いていました。そんな私たちの背中を押してくれたのが、一つの運命的な出会いでした。2011年の東日本大震災で被害を受け、売りに出されていた歴史ある映画館「石巻日活パール劇場」です。
長きにわたり地域の文化をつくってきたこの場所で「自社醸造所を立ち上げたい」という思いが強くなり、多くの人たちの助けによって、醸造所「ISHINOMAKI HOP WORKS」が完成しました。それはホップ農家でもある私たちが、ビールはもちろんのこと、ホップの可能性をより深く、広く皆さんと探っていく拠点です。古き良きものを磨き、再興し、ビールの醸造・販売を通じて次世代につながる新しいカルチャーをつくることを目指し、この場所で22年6月より自社醸造を開始しました。
