日本商工会議所の三村明夫会頭は日本経済団体連合会の中西宏明会長、経済同友会の櫻田謙悟代表幹事と共に、4月21日に西村康稔経済再生担当大臣、同24日に梶山弘志経済産業大臣、西村大臣、加藤勝信厚生労働大臣、赤羽一嘉国土交通大臣とテレビ会議形式で意見交換を行った。
同21日は緊急事態宣言区域の47都道府県への拡大および感染拡大防止に向けた取り組みなどがテーマ。西村大臣からは、「感染拡大防止に向けて、全国で足並みをそろえて実行したい。人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減するため、テレワークなど在宅勤務推進への協力を改めて経済界にお願いしたい。特に、中小企業などにおけるテレワークを進めるために支援リストを作成したので、事業者に周知いただきたい」との要請があった。
三村会頭は、「感染拡大防止の観点から全国への緊急事態宣言の発令は適切な措置。全国515商工会議所には在宅勤務などの推進の協力を依頼している。テレワークは有効だが、リモートワークに適さない現場などもある。創意工夫で8割の接触機会の削減を依頼した方が分かりやすい」と応じた。また、臨時地方交付金について、各地域での自由な活用が認められたことに謝意を示すとともに、休業要請で痛手を受けている中小企業の事業継続などのインセンティブにつながるため、必要に応じた拡大を求めた。医療物資などの提供については、「各地域で知事などの依頼を受けて具体的に対応した方が円滑に進む」との考えを示した。
同24日には、各大臣から、今回の大型連休の対応が新型コロナウイルスの感染拡大を収束に向かわせる重要な時期であり、改めて外出自粛を徹底してほしいと要請があった。
加藤大臣から、雇用維持に向けた雇用調整助成金の活用と、オフィスでクラスターが発生しているためテレワークなどを通じた「3密」の回避などについて、赤羽大臣から、連休中の広域的な人の移動を最小化するため、空港やターミナルの商業施設の休業、宿泊事業者に宿泊者を最小限にしてもらうこと、公共交通機関の混雑緩和への引き続きの協力を依頼された。西村大臣からは、同22日の専門家会議で示された「人との接触を8割減らす、10のポイント」のとおり、日常の行動に気を配るとともに、連休中は「STAY HOME」をとの話があった。梶山大臣は、「官民とも警戒を緩めず、不要不急の外出を避け、しっかり休んでいただきたい。特に経営者の皆さまに、従業員の感染拡大防止に向けた対応の促進や、6月に集中する株主総会について延期や継続会の開催も含め、例年とは異なる対応をお願いしたい」と協力を求めた。
これを受け、三村会頭は、「日本の新型コロナウイルスに対する対応は、諸外国のようにロックダウンをせずに、感染拡大を防止しながら、社会・経済活動を維持するという日本モデルであり、これを成功させることが重要である。そのため、大型連休中の人々の行動自粛、抑制については、事業者やその従業員に改めて徹底する」と応じた。
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