事例3 市、協会けんぽと連携し“健幸”なまちづくりを推進
三島商工会議所(静岡県三島市)
全国の商工会議所に先駆けて「健康経営優良法人2017」に認定された三島商工会議所は、昨年度から三島市と連携して健康経営事業に力を入れている。だが、その背景には地域の産学官金が一体となった医療や健康への意識の高さがあった。商工会議所自らも実施し、多角的なアプローチで「健康経営」普及に積極的に取り組んでいる。
医療城下町を基盤に人とまちの将来を見据える
源頼朝が平家打倒を祈願したことで知られる三嶋大社。その門前町として栄えた三島市は、今も静岡県東部地方の交通の要衝として、また全国トップの医療品、医療機器の生産額を誇る地域として発展している。平成13年にはすでに県立静岡がんセンターの提案に端を発して「ファルマバレー(富士山麓先端健康産業集積)構想が策定され、〝医療城下町〟に向けた取り組みが進んでいた。その流れをくんで三島市が打ち出したのが「スマートウエルネスみしま」だ。第2期の28年からの3カ年計画には、持続可能な〝健幸〟な都市づくりをテーマとする、経営支援ステーション「M-ステ」プロジェクトがあった。
「このM-ステのイニシアティブをとっているのが当所です。市と連携した支援組織の活動の一環として健康経営の啓蒙活動を始めました」と三島商工会議所会頭の稲田精治さんは語る。会員企業や市民に独自のパンフレットを配布するだけではなく、市と共同で健康経営セミナーを開催。昨年からは協会けんぽ静岡支部の協力の下「ふじのくに健康宣言事業」の承認支援を展開している。
シナジー効果で健康経営を加速させる
「これは健康経営優良法人の前段にあたるもので、健康経営にいきなり踏み切れないという会員企業が取り組みやすい内容になっています」と、健康経営移行の〝きっかけ〟として推奨する。また、小規模事業所への周知方法一つとして重要視しているのが「健康経営アドバイザー」資格を全社員が有するアクサ生命との連携だ。三島市、協会けんぽ静岡支部との連携協定による「健康経営」の基盤づくりが着々と進む。
「ふじのくに健康づくり事業所を宣言した数も少なく、健康経営はこれからといった状況です。だからこそ、当所が認定いただいた健康経営優良法人のノウハウを生かし、経営者、従業員、さらにその家族へと浸透して、健康経営のムーブメントが起きるよう、環境を変化させる動機付けを多角的に展開していきます」との士気の高さに、今後の展開に期待が高まる。
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