事例4 観光×健康で新産業を創出癒やしとアンチエイジング促進
蒲郡商工会議所(愛知県蒲郡市)
蒲郡商工会議所も「健康経営優良法人2017」に認定された先駆者だ。平成17年にはすでに「癒しとアンチエイジングの郷」推進協議会を設立し、28年には「蒲郡INNOVATION HUBを目指して」という長期ビジョンを掲げ、「働く人の健康づくりの推進」「アンチエイジングサービス事業化の促進」に取り組んでいる。
地域ブランドの鍵となる健康サービス産業
「生産性革命、働き方改革といっても、健康でないと始まりません。健康経営は人材の大元になるテーマであり、インバウンドとともに新たな産業創出にも成り得るものだと捉えています」
そう語るのは蒲郡商工会議所会頭の小池高弘さん。蒲郡市は愛知県でも指折りの観光都市で、竹島という景勝地あり、4つの温泉街あり、3つの魚市場ありと「海のまち」として有名だ。近年はマリンリゾート「ラグーナテンボス」が人気を博し、観光客は増加傾向にある。
「年間約70万人の宿泊客が訪れていますが、一方で労働者人口は減少しています。それを食い止めるべく17年から『癒しとアンチエイジングの郷﹄として、蒲郡市のブランド化を推進しています」
蒲郡商工会議所と地域企業が中心となり、51団体が連携して衣食住に医療を加えた新たな産業創出に尽力してきた。観光、先端技術、繊維、食品の4分野すべてに健康をテーマとした新ブランドの創出を狙い、特に観光と絡めた健康サービス産業に独自性を打ち出せるのではないかと期待している。
「健康宣言企業」100社を目指す
市民の間でも観光を盛り上げようという気運があり、蒲郡観光交流おもてなしコンシェルジュという検定試験合格者が1000人を超えた。『みかわdeオンパク』という市外の施設も取り込んだ90の観光プログラムのうち、ヘルス・ビューティーをテーマにしたものも好評だという。
また、働く人の健康づくり促進に向け、商工会議所も積極的に動いている。健康に関するパンフレットの作成、健康デザインセミナーの開催、蒲郡市と協会けんぽ愛知支部と連携した健康宣言の勧奨などに加え、会報などで商工会議所自らの健康経営の取り組みも公開している。
「現在、健康宣言した会員企業は40社です。より啓蒙活動に力を入れ、健康宣言企業100社を目指します」と商工会議所は抱負を語る。
健康経営の企業が増え、健康を求めて蒲郡へ多くの人が訪れる。その流れは今、着々と進んでいる。
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