パ・リーグは、セ・リーグよりも強い。そう言いたくなるプロ野球の日本生命セ・パ交流戦2014が今年も始まった(6月下旬まで)。
2005年にスタートした交流戦だが、成績では圧倒的にパ・リーグが勝っている。過去9回の優勝チームは、12年に巨人が優勝しているだけで、それ以外はすべてパ・リーグのチームが勝っている。中でもソフトバンクは過去4回の優勝を誇り交流戦では無類の強さを発揮している。
パ・リーグの優位は、優勝しているチームだけのことではない。セ・リーグとパ・リーグの対戦成績でも、09年以外は全てパ・リーグが勝ち越している。去年はセ・リーグの60勝に対してパ・リーグは80勝(4引き分け)と20勝も勝ち越している。10年には、上位6球団がすべてパ・リーグだったこともある。パ・リーグはどこのチームも交流戦を得意にし、セ・リーグは苦戦が続いているのだ。
そこで気になるのは、なぜパ・リーグがこれほど強いのか……ということだ。それはおそらくパ・リーグの野球の方が日頃から攻撃的であるということと関係しているのだろう。指名打者(DH)がいるパ・リーグ打線には切れ目がない。これを抑える投手には、かなりの球威が求められる。パ・リーグの投手は、本格派でないと務まらない。ダルビッシュ有や岩隈久志、田中将大などメジャー・リーグで活躍する投手の多くがパ・リーグ出身なのもそのせいだろう。
交流戦では、DHの使えない試合(今回はパ・リーグのホームゲーム)がある。このときには、DHの強打者を代打要員にできる。あるいはその選手を守らせて、より攻撃的なオーダーを組むことができる。将棋で例えれば、パ・リーグのチーム編成は、セ・リーグよりも飛車か角を一枚余計に持っているのだ。その投打の存在が、パワーでセ・リーグを圧倒する。パ・リーグの優位には、そんな両リーグの野球の違いが横たわっている気がする。
果たして10回目を迎えた交流戦はどんな結果に終わるのか。私の見立てが正しければ、優勝はソフトバンクかオリックスだろう。そしてもしセ・リーグが勝つとしても、今シーズン投打にパ・リーグ的な充実を見せる広島が最有力だ。
「攻撃は最大の防御なり?」とは、交流戦が突き付けるテーマだ。
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