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現代に息づく職人技 「つげブラシ」

歯の間隔が狭く、しっかり髪をとかせる5列のつげブラシ。適度な刺激で使いやすい3列と、強めの刺激を望む人向けに4列のものもそろえています 撮影:加藤正博

今月はつげ細工の技術から生まれたヘアブラシをご紹介します。

名高い温泉地である大分県別府市では、和服・日本髪の女性が多かったことや湯治客に土産として喜ばれたことから、つげの櫛(くし)・細工物などが盛んにつくられ、技術も磨かれました。

つげは硬く弾力性に富む上に、さまざまな油の中でも椿油とオリーブ油だけが内部に浸透しやすいという不思議な性質があります。椿油を染み込ませておけば、使うたび髪に艶を与えるので、櫛づくりに最も適した材料とされてきました。

しかし、櫛よりもブラシが好まれる現状を見てとった「別府つげ工芸」3代目の安藤康男さんは、受け継いできた匠(たくみ)の技を駆使して、つげのブラシづくりに挑みました。匠のブラシは、糸鋸(いとのこ)で切り出し優しく磨き上げた本体に、細く削った薩摩つげの歯を1本1本差し込んでいくという手の込んだもの。染み込ませた椿油の効果も加わって、使うほどに美しい艶が増し、ますます愛着が深まる逸品です。

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