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Close UP1 外国人目線を生かして地域の魅力を世界に発信

オリビア・リー/大船渡市商工港湾部 観光推進室 国際交流員

「今年は釜石でラグビーW杯が行われ、すでに市内のホテルはいっぱいらしいので、ぜひ大船渡にも足を延ばして泊まってほしい」と語るオリビア・リーさん

岩手県大船渡市では昨年、インバウンドの誘致を促進するため、同市初となる国際交流員を任用した。米国シアトル出身のオリビア・リーさんだ。もともと海外の文化に興味があったというオリビアさんは、意欲的に地域の人たちと交流を図りながら、外国人目線で大船渡の魅力を発信している。

大学卒業後すぐに国際交流員として来日

三陸復興国立公園のほぼ中央に位置し、リアス海岸特有の美しい自然に恵まれた大船渡市。本州一の水揚げを誇るサンマで、官民連携のまちおこしにも力を入れている。そんな同市初となる国際交流員に、昨年8月に任用されたのがオリビア・リーさんだ。国際交流員とは、①任用団体の国際交流関係事務の補助②任用団体の職員、地域住民に対する外国語教室または異文化理解講座などへの協力③地域の民間国際交流団体の事業活動に対する助言、参画④地域住民の異文化理解のための交流活動(学校訪問を含む)および外国人住民の生活支援活動への協力、などを行う専門スタッフのこと。もともとオリビアさんは海外に興味があり、ワシントン大学で国際関係を専攻、第二外国語で日本語を学んだという。

「授業で先生から聞いた日本の伝統や文化に興味を持ちました。神社やお寺、祭りなど、アメリカとはまったく違います。また、日本のテレビ番組、音楽、マンガ、どれもおもしろく、自分の目で見てみたいと思いました」

そんな思いを胸に、卒業後すぐに国際交流員として来日し、大船渡市に着任した。東日本大震災の被災地であることは事前に知っていて、少し緊張したというが、「実際に来てみたら、海がきれい、山もきれい、人もとても優しくて安心しました」。

地域を巡り、人と交流して魅力を英語圏へ

着任後、まずは大船渡に英語圏の人たちを呼び込みたいと考えたという。岩手県を訪れるインバウンドの大半はアジア圏からで、目的もスキーやスノーボードが多く、なかなか沿岸地域まで足を運ばない。英語圏の人は、自然や文化に関心が高く、それがユニークであるほど興味を持ってもらいやすい。そこで市内各所に積極的に足を運び、人と交流を図りながら、見たこと、感じたこと、体験したことをSNSに投稿している。

「私はここに来て初めてサンマを食べたんですが、大好きになりました。8月にある『大船渡さんままつり』では、市のさんま焼き師の資格を持った人が焼いてくれるんですよ。私もさんま焼き師の認定試験を受けました」

日本で初めての正月を過ごし、毎年1月に行われる「吉浜のスネカ」も体験した。鬼とも獣ともつかない面を付け、蓑(みの)に身を包んだ「スネカ」が家々を訪れる風習は国指定重要無形民俗文化財で、昨年ユネスコの無形文化遺産にも登録された。「アメリカにはない伝統行事」の様子を早速SNSで発信したという。

国際交流員の任期は1年だが、通算5年間の任用が可能。オリビアさんはすでにもう1年の継続が決まっている。

「(隣接する)釜石や陸前高田の国際交流員とは、常に情報交換をしています。来年度はフェイスブックとインスタグラムを使って、さらにまちの魅力を伝えていきたい」と楽しそうに語った。

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