数年前から始まった鯖(さば)缶ブームは、コロナ禍での〝家ごはん〟が日常になり、ますます波に乗っている。鯖缶レシピがメディアで続々紹介され、プレミアム鯖缶など高級な缶詰も登場。体に良い健康食材である鯖缶はいいところだらけ。なぜ長い間注目されなかったのか不思議だ。
子どもの頃から鯖缶は大好物だった。片っ端から食べてきたがこれぞ最高! の鯖缶を見つけたのは10年ほど前。ラベルにかわいいマーメイドのイラストが描かれている「鯖味付缶詰」だ。パッカ~ンとふたを開けると、閉じ込められていたしょうゆの香りがほのかに立ち上る。鯖はほどよく脂が乗ったノルウェー産。早く食べたい、と皿に移すのももどかしく一口食べる。なんて魅惑的な味なんだろう。しょうゆと脂と少しだけの甘みが交じりあった、脳に刻まれて離れないうまさ。どんな料理にも100パーセント合うと断言する。味付缶のほかに水煮缶、味噌(みそ)煮缶など8種類の鯖缶がそろっている。
マーメイド印の「福井缶詰」は小浜市で1943(昭和18)年に創業した。鯖街道の起点の地としての誇りと、いにしえから受け継ぐ確かな味を詰めた鯖缶は、常備品として欠かせない。
Data
社名:福井缶詰株式会社(ふくいかんづめ)
所在地:福井県小浜市川崎1丁目1番地3
電話:0770-52-3450
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