静岡県掛川市
航海に正確な地図と羅針盤が必要なように、地域づくりに客観的なデータが欠かせない。今回は、古くは塩の道のルートとして知られ、江戸時代に東海道の主要宿場町として栄えた「掛川市」について、まちの羅針盤(地域づくりの方向性)を検討したい。
所得は豊かな工業地帯
掛川市は、製造業が経済を支えている地域である。茶の生産でも有名であるが、東海道新幹線掛川駅の開業など交通インフラに加え、工業団地の誘致・造成などもあり、「情報・通信機器」や「輸送用機械」を中心に、第2次産業が、生産額の7割、付加価値額(地域GDP)の6割を占め、純移輸出入収支額も3千億円超の黒字(所得流入)を計上している。6千億円を超える地域GDPの5割を、第2次産業の移輸出で生み出している状況だ(数字は2015年の値で、以下も同様)。
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