今回は、容器包装リサイクル法(容リ法)における「拡大生産者責任」について解説します。
家庭ごみの処理・処分は本来市町村の負担ですが、容リ法では、わが国で初めて「拡大生産者責任」の考え方が導入されました。同法により、生産者に当たる特定事業者の責務は商品(中身)が消費された後の容器包装の廃棄・リサイクルの段階まで拡大されるとともに、消費者や市町村の役割が明確になりました。
すなわち、特定事業者は、消費者が分別排出し市町村が分別収集したものについて、再商品化(リサイクル)する義務を負うことになったのです。特定事業者とは、商品を入れる容器(箱や袋など)を利用・製造・輸入する事業者、および包装(ラップや包装紙など)を利用等する事業者を指します。
Q 容器包装リサイクルに関わる者(ステークホルダー)はどのような役割や責務を負いますか?
A ①消費者は、「分別排出」すること。つまり、市町村の定める分別ルールに従って、容器包装ごみをきちんと分けて出すことです。
②市町村は、「分別収集」すること。つまり、分別ルールを定めて地域住民に周知し、容器包装ごみを分別収集して、リサイクルしやすい状態にすることです。
③特定事業者は、市町村が分別収集した容器包装ごみをリサイクルすること。しかし、自身で行うのは困難であるため、指定法人に再商品化費用を支払うことでリサイクル義務を果たすことができます。
日本容器包装リサイクル協会(容リ協会)の使命は、再商品化を適切に行うことです。市町村から容器包装ごみを引き取り、特定事業者から預かった再商品化費用を用いて再商品化事業者にその処理を委託し、着実な実施を確保します。いわば、コーディネーターとして、各ステークホルダーと連携し適正かつ円滑な再商品化を推進します。
Q 特定事業者の再商品化費用はどのように算定されるのですか?
A 容器包装の種類(ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装)ごとに、利用・製造した重量に単価を乗じて再商品化費用を算定し容リ協会にお支払いいただきます。
なお、毎年、重量算定に必要な諸係数は国、単価については協会、それぞれの調査に基づき決定されます。
委託料金の算定方法 ▶ https://www.jcpra.or.jp/specified/application/tabid/114/index.php
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 ▶ https://www.jcpra.or.jp/
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