この連載も4シーズン目に入ります。この1年は、中級者を主な対象にして、さらなる上を目指すための理想のスイングづくりを解説していきたいと思います。
長年ゴルフをやっていると、飛距離が落ちて、何とかしようと強く振ってもうまくいかず、ゴルフ自体がつまらなくなってしまう、そんなことはないでしょうか。原因は「強く振っているから」と言ったら、驚かれるかもしれません。アマチュアゴルファーの場合、強く振ろうとすると、力いっぱいに振ってしまいがちです。すると、上体とグリップに力が入り、ミート率も落ちて、ヘッドも走らず、逆に飛距離が落ちるというわけです。もちろん、プロの場合も強く振ることはあります。例えば、低く抑えたボールでラインを出したいときとか、深いラフから脱出したいときがそうです。しかし、力いっぱい振るわけでもないし、力を入れてクラブを握ることもありません。深いラフなどでは少し強く持つかもしれませんが、芝に当たり負けしない程度の強さですし、力は自然に入るものなのです。
飛距離を伸ばすには、「強く振る」より、上体に力を入れず「強く当てる」というイメージが大事です。そのためには、まず体幹部を使ったスイングが必要です。そこでお勧めなのが、ソフトボールのような大きいボールを打つ練習です。
また、ヘッドスピードを上げたい場合には、速く振る感じもつかんだ方がいいでしょう。イラストのようにクラブを逆に持って、できるだけ速くスイングするのです。人間の筋肉は、ゆっくり動かしてばかりだと速く動けなくなってしまいます。ですから、たまには速く動かす練習も必要なのです。
体幹部を使えるようになり、速く振る感じがつかめたら、飛距離は再び伸びるはずです。
イラストレーション:アカハナドラゴン
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