Q 介護で通常勤務が困難となっている従業員がいます。本人には仕事を続けたい意思があり、会社としても退職されるとダメージがあり、影響が大きいです。どのような対応が必要でしょうか。
A 介護は突然始まります。また、介護はどれくらい続くのか想定することが難しいものです。介護疲れや介護ストレスが離職を招くことも少なくありません。従業員が介護と仕事を両立させて働き続けられるよう、企業は勤務制度・雇用環境の整備、従業員の支援に取り組む必要があります。両立支援、介護離職防止には職場の理解と協力が欠かせません。同僚への働きかけも含め、職場全体で支援する体制を整えることに留意してください。
家族などの介護を担いながら仕事を続ける、介護と仕事の両立は、大変難しいのが実情です。要支援・要介護認定者数は年々増加傾向にあり、厚生労働省によると、年間約9万人が「介護・看護」を理由に離職しています。一方、経済産業省は、仕事をしながら介護を担うビジネスケアラーが、2030年には約318万人に上る見込みとの試算を示しています。
事業主の義務
育児・介護休業法では、労働者が仕事と介護を両立させて働き続けられるように、事業主の義務が定められています。
①介護のための制度整備:介護休業は対象家族1人につき3回通算93日まで、介護休暇は有給休暇とは別に年間5日まで(対象家族が1人の場合。2人以上の場合は10日まで)の取得が認められています。25年4月からは、継続雇用期間6カ月未満の従業員も介護休暇を取得できるようになりました。
②不利益な取り扱いの禁止:介護休業の申し出や取得を理由とした解雇、不利益な人事評価や配置転換、労働契約内容の変更の強要を行うことは禁止されています。
③介護離職防止措置:相談窓口の設置、制度に関する研修、制度利用事例の共有、制度利用を促進する企業方針の周知が求められます。25年4月の法改正により、介護に直面した従業員への個別の周知・意向確認が求められるほか、要介護状態の家族を介護する従業員に対しては、テレワークを選択できるよう措置を講ずることが努力義務となりました。継続就業を支援するための最低限の義務といえます。
