地方創生の核となる中小企業・小規模事業者への支援強化に向け、各地の取り組みが本格化している。今回の「挑む」では、事業者のニーズを的確に応え、成果を挙げている経営支援の好事例を紹介する。
大曲商工会議所(秋田県)では平成25年度から、日常的に会議所を直接利用することが少ない会員企業との接点をつくるため、同所の重点事業として「巡回プロジェクト」を実施している。経営指導員、補助員などをプロジェクト担当に任命し、1年間で全会員企業1259件の巡回を達成。会員とのコミュニケーションを図りながら、経営課題解決支援を行うと同時に、売上高、従業員数、資本金などのデータベース化を進めている。
平成26年度は、前年の巡回で特に多く相談を受けた事業承継問題に重点を置いた。60歳以上で後継者のいない224会員企業を中心に訪問するかたちでプロジェクトを継続。経営指導員が相談に応じるほか、事業承継セミナーなども開催し、支援に取り組んだ。
また、経営に関するその他の問題についても、月に一度実施している同所の三役会に経営指導員が必ず参加し、指導事例を発表。正副会頭から直接意見を聞き、実際の指導に役立てている。
平成27年度は、再度全会員企業巡回を実施。どんな支援が必要か、再調査を行っている。同所は、「巡回プロジェクトを通じて顔の見える関係を構築したことで、困ったときに相談できる商工会議所をPRできた。退会防止にもつながっている」と話している。
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