経済産業省および関係省庁(内閣府、警察庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、農林水産省、消費者庁)はこのほど、2015年の模倣品・海賊版に関する相談などについてまとめた「模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告」を公表した。政府は、権利者・企業の要望を受け、政府全体の一元的相談窓口を2004年に経済産業省に設置。企業などからの相談に対し、関係省庁が連携して対応している。
2015年の企業などからの相談および情報提供は909件で、そのうち相談件数は過去最高の334件となった。334件の相談のうち、被害を受けた権利者からの相談は151件、模倣品などを購入してしまった消費者からの相談は38件、第三者の権利を侵害してしまったという相談は30件、その他の相談は115件だった。また、相談を受け付けた909件のうち、インターネット取引に関連する相談・情報提供が632件と全体の約69%となっている。
知的財産別相談案件の割合は商標権が44.7%で最も高く、著作権(17・4%)、不正競争(12・6%)、特許権(12・1%)が後に続いている模倣品の製造国が判明している相談案件のうち、中国(香港を含む)に関する相談案件が全体の6割以上を占めている。次に、日本国内での案件に係る相談が多く、台湾、韓国が続いている。
報告書ではその他、特許庁が実施した模倣品被害に関する調査結果や、海外侵害状況調査制度(民間企業などが知的財産権を海外で侵害された場合、申し立てに基づき日本政府が調査を行い、必要があれば、二国間協議やWTOをはじめとする国際約束に基づき解決を図る制度)の申し立て事案などを紹介している。
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