これまでの号では、容器包装リサイクル法(容リ法)における再商品化(リサイクル)の対象は、商品を入れる容器や商品を包む包装で、ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装の4種類であること、また、中身の商品と分離された後に家庭ごみとして廃棄される容器包装を利用、製造、輸入する特定事業者に再商品化の義務が生じることを説明しました。今回は、特定事業者の再商品化義務の履行方法を解説します。
Q 特定事業者は再商品化義務をどのように果たすのですか?
A 再商品化義務を果たすには、複数のルート(方法)があります。大きくは、指定法人ルートと主務大臣の認定によるルートで、いずれかのルートを選んで行います。
①指定法人ルートは、市町村が分別収集・保管した容器包装ごみの再商品化委託料(リサイクル費用+事務運営経費)を、容リ法の指定法人である当協会(日本容器包装リサイクル協会)に支払って再商品化を委託する方法です。
②主務大臣の認定によるルートには二つあります。一つは自主回収ルートで、酒びんや牛乳びんなどのリターナブルびんを特定事業者が自ら、または回収事業者に委託して回収・再利用などを行う方法です。2022年8月現在、50社が認定を受けています。
もう一つは独自ルートで、市町村が分別収集・保管した容器包装を特定事業者が再商品化事業者に委託して(または自ら)再商品化を行う方法です。全国各地で廃棄される自社商品の容器包装ごみを再商品化することは現実的ではなく実施困難なため、採用している事業者は現在ありません。
Q 指定法人ルートを利用する方法はどのようなものですか?
A 特定事業者は、1年間に利用、製造、輸入する容器包装の重量を基に再商品化義務の対象量と委託料の金額を自身で計算し、委託料を当協会に支払うことで再商品化義務を果たすことになります。
再商品化義務を負う特定事業者のほとんどは、指定法人ルートを選択し、当協会に委託料金を支払うことで再商品化義務を果たしていますが、支払わない事業者も存在します。次回は、こうした義務不履行事業者について解説します。
これまでの連載はこちら(日商Assist Biz) ▶ https://ab.jcci.or.jp/series/4164/
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 ▶ https://www.jcpra.or.jp/
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