私たちの生活において携帯電話をはじめとする電子機器はなくてはならないものですが、私たちの身近な電子機器が原因で発煙・発火トラブルが近年多発していることをご存じでしょうか?
今回は容器包装ごみに混ざると危険な禁忌品(きんきひん:リサイクル過程での事故など、危険を伴いリサイクルを阻害するもの)について解説します。
Q 禁忌品とはどんなものですか?
A 電池、ライター、刃物類、ガラスなどの鋭利な破片、在宅医療で利用する注射器などです。近年混入が増えているのが、小型充電式電池を内蔵する電子機器(加熱式たばこや家庭用ゲーム機、ハンディーファンなど)やモバイルバッテリーです。
Q 禁忌品が混ざるとなぜ危険?
A 家庭から回収された容器包装ごみのリサイクル工程には機械や手作業による選別があります。手選別においては、刃物や注射針など、鋭利なものが手に刺さる危険性はもちろんのこと、禁忌品によっては市区町村の選別施設やリサイクル工場の機械トラブルの原因にもなります。場合によっては、工場が稼働停止する事態になる恐れもあります。
Q 特にリチウムイオン電池の混入が問題となる理由は?
A リチウムイオン電池を内蔵する電子機器は、表面がプラスチックなので消費者が廃棄する際に誤ってプラスチックの容器包装ごみに混ぜてしまったと思われます。しかしながら、容器包装リサイクル法で回収の対象とするのは、「商品の容器や包装」に限りますので絶対に混ぜないでください。
リチウムイオン電池は乾電池とは違い、磁力(磁力選別機)によって容易に選別できないため取り除くことが極めて難しくなります。また、リチウムイオン電池などの小型充電式電池には燃えやすい液体が入っていることから、機械などで過度な圧力がかかると発熱・発火しやすく、しかも、周囲に燃えやすいプラスチックなどがあれば大きなトラブルにつながるリスクが高いのです。
Q 消費者は何に注意したらいいでしょうか?
A 廃棄のルールは各自治体によって異なります。禁忌品を排出する前に、お住まいの市区町村にお問い合わせください。リチウムイオン電池などの排出方法として、公共施設や家電小売店・ホームセンターなどの専用回収ボックスを利用する方法もあります。
動画「リチウムイオン電池を含む電子機器を混ぜないで!」はこちら ▶ https://www.jcpra.or.jp/consumer/danger/tabid/758/index.php#Tab758
これまでの連載はこちら(日商Assist Biz) ▶ https://ab.jcci.or.jp/series/4164/
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 ▶ https://www.jcpra.or.jp/
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