9月1日、文化庁より今年の日本遺産総括評価結果が公表された。2020(令和2)年度に認定された21の日本遺産(地震で審査延期となった熊本県八代市を除く)と二つの候補地域、一つの新規候補地域の審査結果である。4件が「重点支援地域」、10件が「認定継続」、6件が「再審査」となった。再審査となった地域は、再度、現地調査を含む審査を受け年内をめどに結果が示される▼
また二つの候補地域のうち、「鋸山 石に刻まれた人々の営み(千葉県富津市・鋸南町)」は、今後、候補地域との入れ替えを前提に点数を競う「点数評価プロセス」に進み、「受け継がれゆく京の花街の文化(京都市)」は候補地域のまま継続することとなった。新たに候補地域を目指した「祈りの聖地・身延(山梨県身延町)は「不認定」となった▼
総括評価の制度は21年度から運用が始まり、認定から一定期間(6年)を経過した日本遺産が、当初目標や地域活性化計画に沿ってきちんと事業実施され、その成果を上げているかどうかを審査するものである。他地域のモデルとなる優れた活動をしている地域は「重点支援地域」に認定し、補助金のかさ上げなど優先的な支援が受けられる▼
すでに創設から10年を経過した日本遺産だが、活動が軌道に乗った地域とそうでない地域に少なからぬ温度差がある。活動がよくできている地域は、地域づくりのビジョンや戦略が明確で、何よりもこれらの活動を担う組織や人材が育ち、地域活性化事業の自走化が図られている▼
地域の活動を持続するには大変な苦労が伴う。そのことに敬意を表しながら、地域ブランドとしての「物語」を事業化し、地域の新たな産業や文化の創出を目指してほしい
(観光未来プランナー・丁野朗)