育児をする父親を指すイクメンという言葉がある。昨今、耳にするイクボスとは育児をするボスのことかといえば、さにあらず。イクボスはまず企業経営者、さらには上司も目指すべき新たなリーダー像だった!?
イクボスとは職場改革の先頭に立つ人
今から1年ほど前の平成28年6月17日、全国の知事職としては初めてイクボス宣言した湯崎英彦広島県知事も出席し、広島県商工会議所連合会は県内13の商工会議所とともに「イクボス宣言」を行った。
最近よく耳にする〝イクボス〟という言葉だが、その意味となると、よく分からないという経営者も多いのではないだろうか。
広島県商工会議所連合会によると、イクボスとは、職場でともに働く部下・スタッフのワーク・ライフ・バランスを考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績でも結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のことを指すのだという。
企業の人手不足が叫ばれている今、若者・女性・高齢者といった各世代や性別に関係なく活躍できる職場環境を整備することや、多様な働き方を実現することが求められている。そこで、人材難に悩む経営者こそがイクボスとなって、働きやすく業績も上がる社内改革を進める必要があるのではないだろうか。
イクボスへの賛同は、全国各地の商工会議所へも広がっている。今年に入り、セミナーも盛んに開催されているのも、こうした危機感の現れといえるだろう。とはいえ、地域の中小・小規模企業にとっては、こうした社内改革=働き方の改革を人的・物的な経営資源に大きな制約がある中で進めていくことは容易ではない。
だからこそ、中小・小規模企業の中核としてイクボスに求められるのは、誰もが働きやすい会社を目指して先頭に立って号令を掛けることなのだ。
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