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テーマ別企業事例 女性経営者が日本をもっと元気にする!

事例2 女性社長を応援することで日本を元気にしたい

コラボラボ 代表取締役 横田 響子さん(東京都千代田区)

全国256万社のうち女性社長は28万4581人にのぼり、年々増加している(2013年10月、東京商工リサーチ調べ)。そうした女性経営者や個人事業主をつなぐウェブサイト「女性社長.net」を中心に、女性経営者を集めたイベントを開催するなど、女性の起業家や経営者を応援する事業を展開しているのが、コラボラボ。同社を立ち上げた代表取締役の横田響子さんも、女性起業家の一人である。

月間30万PV、会員数1500人を超えている「女性社長.net」は全国各地で活躍する個人事業主・会社経営を行っている女性社長のデータベース。女性社長に注目しているメディア関係者、発注先やコラボレーション先を探している法人、起業を目指している人などが注目しているサイトだ。また、コラボラボでは女性社長の手掛ける逸品応援の販売サイトも運営している

足りないものは補い合えば良い

横田さんは、大学を卒業後、リクルートに就職する。「入社直後は、入ったところでずっと働いていたいなと思っていたのですが、リクルートという会社は社員の独立も歓迎するという企業風土で……。それに気付いたのも入ってからでした(笑)。それで、30歳くらいまでには独立しようかな、とは漠然と考えていました」。そこに父親の病気などが重なり、「辞めるタイミングかな」と思い、リクルートを平成16年末に退社した。

「リクルートを志望した裏には、10代のころから誰かと誰かを引き合わせて何かをつくり上げる仕事をしたいという思いがありました」と話す横田さん。ずっと抱いていたマッチングビジネスに対する思いと、女性が活躍できる社会を実現するための後押しをしたいという思いで、その両者が結び付いた結果が「コラボラボ」だった。

「正直、最初からこういうビジネスモデルでいこうというものはありませんでした。ただ、マッチング、女性の後押しというテーマは決まっていました。リクルート時代に、経営者の方にお会いする機会も多かったですし、どうせやるなら話の早い経営者を相手にしたかった。それも女性経営者の支援をする事業をやりたいと、すでに24、25歳のころから思っていましたから」

横田さんは4歳までオーストラリアで過ごしている。そのことが「人はそれぞれ、見た目も言語も違えば、得手不得手も違う。だったら、それぞれに足りないものを補い合っていければいい」というマッチングの発想の原点になっているという。また、中高を大阪の私立共学の学校で過ごしたのも、女性の活躍を応援するというテーマに大きく影響したそうだ。

「大阪の私立は男子校で優秀な学校が多いので、共学に進んだ生徒ははるかに女子の方ができるという印象がありました。それで、その子たちの母親を見てみると、ほとんどが専業主婦。皆さん、きっと優秀で仕事ができる方々なのだろうに、もったいないなと思っていました」

そう語る横田さんは、12歳のときに母親を亡くしている。自立すること、働くことの意味を強く意識したのもそんな経験があるからだろう。

実際に会ってひたすらリサーチ

「女性経営者を支えたいと思っていても、実は、リクルート時代に女性経営者の方とは一人も会っていなかったのです。そこで、まずは女性経営者が何を求め、どこに困難を感じているのか、ひたすらリサーチに時間を取りました」

退社後の1年目は120人、2年目は200人と女性経営者と面会を重ね、ニーズをくみ取り、人脈も広げていった。最初のお客は横田さんが会った3人目の女性経営者だった。ちょうど前任者が辞めたところで、横田さんは、その会社のメディアへの広報を業務契約として請け負った。そこでの活動がメディアとのリレーションづくりに大いに役立った。フリーランスとして1年半、経験を積み、人脈も広げた横田さんはいよいよ18年5月、「株式会社コラボラボ」を立ち上げる。

そのとき、最初に苦労したのが「人のマネージメント」だったという。自分とは違う人に、どうやったら自分と同じようなモチベーションを持ってもらうかに悩み、「人を育てながら待つ」ということとスピード感を求める自分とのバランスを取ることにも苦労を重ねた。また、事業の中核であるウェブサイト「女性社長.net」も19年の5月にスタートしていたものの、まだまだという状況だった。これらがうまくいき始めたのは、創業から5年が経過した辺りからだという。今では、会員数は約1500人を数えるまでに成長し、女性社長にとって効果的なPR、経営者向けの情報発信、経営者同士の交流の場として、ウェブの閲覧回数は月間30万回を超えている。

堅実だがスピードが足りない

現実を肌で感じている横田さんが考える、女性経営者の強みと弱みはどのようなものなのだろうか。

「まず、資金も人脈も少ない状態からスタートしているケースが多いですね。その分、堅実なのですが、いかんせんスピード感が足りない気がします。それに結婚して子どもができると、どうしても子育てはまだまだ女性の負担を強いるし、せっかく起業しても廃業する率が男性の2倍という数字もあります。しかし、弱みは強みにもつながります。堅実だから、無料ツールを使いこなし、お金をかけなくてもPRできるように工夫するのも女性経営者ならではです」

伸びる女性経営者に共通して言えるのは、バランス感覚がいいことだと横田さんは言う。

「人と組むときも、相手の利点をちゃんと考えられる人が、結局は人も使えるし、持続力もあります。それに男性社長は会社を大きくすることや競争に勝つことを目標にしたがりますが、女性社長は社会貢献や自らが好きな商品を広めることを優先するのも特長ではないでしょうか」

ようやく政府も本気になって女性の活躍を後押しする流れになってきた。しかし、本当に必要な支援は別にあると横田さんは考えている。

「女性経営者を育てるのなら、融資ではなく、仕事を発注してもらいたい」。大企業や老舗と呼ばれる企業でも、イノベーションセンターを設けて外部と組むケースが増えてきている。そういう中、女性が活躍する場は、もっともっと広がっていくはずだ。「コラボラボ」が果たす役割は、今後、さらに広がっていくだろう。

会社データ

社名:株式会社コラボラボ

住所:東京都千代田区神田淡路町1-23-4 VICOLO 6F

電話:03-6206-8650

代表者:横田響子 代表取締役社長

従業員:7人(うち男性1人)

※月刊石垣2015年1月号に掲載された記事です。

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