北海道全国大会に2700人出席
全国商工会議所女性会連合会(全商女性連、藤沢薫会長)は10月7日、「第49回全国商工会議所女性会連合会北海道全国大会」を札幌市で開催し、全国318女性会から約2700人が出席した。
主催者を代表してあいさつした藤沢会長は、「全商女性連は日本最大級の女性経営者団体。各地域で女性リーダー役を担う私たちに求められる期待や役割は大きい」と指摘。「商工会議所の使命は地域を元気にすること。その一翼を担う私たち女性会は、女性ならではの感性や潜在力を最大限に発揮し、女性活躍のための環境整備、地域活性化に向け強いリーダーシップを発揮していかなければならない」と意気込みを示した。
また日本商工会議所の三村明夫会頭は、日本経済の再生と地方創生において「女性の柔軟かつ大胆な発想と実行力は成長のための重要な鍵」と期待。「ぜひとも各地女性会において地域の活動をけん引してほしい」とエールを送った。
総会では、「第16回女性起業家大賞」の表彰式を実施。最優秀賞、スタートアップ部門(創業5年未満)優秀賞、グロース部門(創業5年以上10年未満)優秀賞を受賞した3人が表彰された。また、全商女性連表彰の授賞式では、特別功労者48人、組織強化(会員増強)に実績があった17女性会、「個として光る」女性会事業に取り組んだ2女性会などを表彰した。最後に来年の開催地である岩手県のメンバーが次回の岩手総会の参加を呼び掛けて大会を締めくくった。
個として光る女性会事業
最優秀賞 日本商工会議所会頭賞 平塚商工会議所女性会(神奈川県)
「循環型社会事業 エコキャップ回収事業」の実施
同女性会は、社会貢献を目的に、市内の病院などへの車いすの寄付に向けたエコキャップ(ペットボトルのふた)の回収事業を実施。平成25年度は600㎏、26年度は2010㎏、27年度は3070㎏、28年度は3850㎏と、4年間で計9530㎏のキャップを回収した。その結果、チャリティーコンサートやバザーの収益金と合わせて、これまでに83台の車いすを平塚市に寄贈している。
寄贈した車いすには「平塚商工会議所女性会」の文字が刻まれ、「目に見えるボランティア」として事業への参画意識の向上と女性会の知名度向上に貢献。会員数が事業実施前の85人から136人に増加した。同事業により社会貢献を果たしたこと、会員増強と活動の活発化が図られたことが高く評価された。
優秀賞 全国商工会議所女性会連合会会長賞 小松商工会議所女性会(石川県)
花を活かしたまちづくりと、地域活性化を図る「フローラル花いっぱい事業」の実施
平成27年に石川県で開催された全国植樹祭に合わせて、同女性会は、事業所の玄関先などを花や緑でいっぱいにする活動を評価する「フローラル花いっぱいコンテスト」を実施した。また、28年度は、「花を活かしたまちづくり・地域活性化事業」を展開。花や緑により来店しやすい店づくりを目指す研修会の実施や、花や緑を通じて地域貢献している事業所の表彰など地域のにぎわい創出に貢献した。
地域の祭りである「お旅まつり曳山(ひきやま)」、小松商工会議所主催の「小松市どんどんまつり」では、同事業をパネル展示し効果的にPR。女性の感性を生かした地方創生事業であり、地域一体となった事業体制や協力関係の構築にリーダーシップを発揮した点が高く評価された。
第16回女性起業家大賞受賞者紹介
最優秀賞
農プロデュース リッツ (新潟県小千谷市)
代表 新谷梨恵子さん
農業の6次産業化を支援 まちおこしにも一役
「農業に携わりたい」「サツマイモを使ったまちおこしをしたい」との夢を抱き小千谷市で起業。10年間、農業法人に勤務した経験や、「食の6次産業化プロデューサー」の資格を生かし、農家の販路開拓・新商品開発・営業販売の支援、地元農産物を使った「さつまいも農カフェきらら」の運営、農家の人手不足解消と担い手の育成、農作業を支援するアグリサポーターの派遣など多様な事業を行う。
地方創生の鍵となる農業の競争力強化に向け、6次産業化や地域農家の支援、カフェを通じた農家と住民をつなぐ活動、さらに自身の夢を地域の夢に変え、地元農産物のブランド化、まちおこしにつなげていることが高く評価された。
優秀賞(スタートアップ部門)
株式会社デキャンタージュ(福岡県福岡市)
代表取締役 小林由紀さん
無添加せっけんを開発 パッケージにも独自の工夫
アレルギー体質に悩んだ自身の体験から、「メード・イン・ジャパン」「メード・イン・九州」にこだわった肌に優しい無添加の手づくりせっけんを開発。携帯にも便利な1枚使い切りタイプにし、瓶に詰めて販売した。また、手に取ったとき喜びやうれしさを感じられるよう容器には誕生石に見立てたラインストーンと誕生石の意味を記したメッセージを添えた。
製造工程から製品の見た目の美しさまでこだわった製品であること、せっけんという「モノ」を売るだけでなく誕生石のメッセージを添えるなど「コト」も売ることで他の商品との差別化を図っていることが評価された。
優秀賞(グロース部門)
FUNFAM株式会社(東京都港区)
代表取締役 藤岡康代さん
竹製ベビー用食器を製造販売 子どもの食の問題解決の一助に
竹の軽さ・抗菌性に着目し、特許を取得した木工技術で加工した安心、安全なベビー用食器を製造販売。また、子どもの食わず嫌いやアレルギーなどの問題を解決するためのレシピ開発や、料理教室など幅広い事業を展開している。
肥満やアレルギーなど食の問題を抱える子どもが増える中、国産の竹製の食器を通じて食べる喜びを提供していること、レシピや健康管理などのスマートフォンアプリケーションと連動した情報機能付き食器の開発により、乳幼児の健康管理、個人データ蓄積による医療機関との連携など食器とヘルスケア市場の将来的な結び付きの可能性があることが評価された。
奨励賞(スタートアップ部門)
株式会社イート(宮崎県宮崎市)
代表取締役 木原奈津子さん
株式会社CPI(愛媛県松山市)
代表取締役 本宮 薫さん
奨励賞(グロース部門)
株式会社心結(石川県金沢市)
代表取締役 越田晴香さん
一般社団法人地域サポートネットワークとっとり(鳥取県鳥取市)
代表理事 山口朝子さん
特別賞(スタートアップ部門)
タイガーモブ株式会社(東京都荒川区)
代表取締役 片桐恵理子さん
株式会社ファンクション(東京都港区)
代表取締役 本間麻衣さん
特別賞(グロース部門)
株式会社やきやまふぁーむ(三重県尾鷲市)
代表取締役 世古直美さん
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