文庫サイズの頑丈な小箱を開けると、あふれんばかりの翡翠(ひすい)!いや、豆だ。一瞬、翡翠に見えたそれらは一粒一粒がふぞろい。正体は青エンドウ豆を甘納豆風に仕上げたもので、味付けは砂糖と塩のみ。添加物などは一切入っておらず、得も言われぬ上品な甘さ、そして鼻先をかすめる豆の香りがすばらしい。手でつまむより、スプーンですくって、または楊枝などでつつくと食べやすい。生菓子と同じで、冷蔵庫で保存する。日を追うごとに風味が落ちるので、できるだけ早目に食べ終えるのがよい。
ふうき豆は漢字で「冨貴豆」と書き、誕生は明治時代末期にさかのぼる。名前の由来は、製造過程で豆をふかすことから“ふき豆”。これに縁起の良い「冨」と「貴」をあてたという。“ふうき豆”に変化した理由は定かではない。現在、市内には数軒の専門店があるが、中でも「山田家白露ふうき豆本舗」の特徴は、豆の質、砂糖の質、舌の上で転がしたときのほろりはらりとした食感が秀逸だ。きりりと冷えたスパークリングワインでつまむと、あっという間にひと箱がなくなってしまうのでご注意を。手に入れるには直接店に行くか、通販で取り寄せるしかないため、希少価値は大である。
Data
社名:山田家白露ふうき豆本舗
所在地:山形県山形市本町1-7-30
電話:023-622-6998
Information
購入方法:店舗、電話、FAXのみ
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