人間が五感を通じて受け取る情報のうち、8割は視覚からとされています。目は開けている限り、絶え間なく働き続けていますが、特に現代人はパソコンやスマートフォン画面などを見続ける機会が多く、眼精疲労やドライアイなどを起こしやすい状況にあります。また加齢とともに、近くにピントが合いにくくなったり、ピントが合うまでに時間がかかったり、白内障によってレンズが曇ってくるなどの変化が起こり、目が疲れやすくなります。
目を酷使すると、目の不調だけでなく、肩凝りを訴える人が少なくありません。これは目の筋肉と肩の筋肉の両方が、緊張状態になっていることが考えられます。例えば、パソコン作業や車の運転を長時間続けると、腕や指も使うので上肢にも力が掛かります。また、目のピントが合いにくくなると、無意識に頭の位置を動かして目のピント調節を助けようとする場合があり、頭を支える肩や首に負担が掛かって凝りやすくなります。
逆に、肩が凝ると肩周辺の血行が悪くなり、肩から近い頭部の血行にも悪影響を及ぼして、目が疲れやすくなるという悪循環に陥るケースもあります。
目と肩の緊張をほぐすには、まず目を休めることが先決です。例えば、デスクワークやパソコン作業などを1時間続けたら、10分間は手を止めて、窓から遠方をボーッと眺めるようにしましょう。また、目を上下左右に動かしたり、近くと遠方を交互に見たりするなどの目の体操を行うと、視界がすっきりしてきます。
目が疲れたら、蒸しタオルやアイマスクなどで目を温める、両手をこすって温めてから目を軽く覆うなどすると、目の周りの血行が良くなるのでおすすめです。
同時に、肩周辺の血行も促してあげましょう。仕事などで同じ姿勢を長時間とることが多い人は、こまめに肩のストレッチを行って、筋肉をほぐします。余裕があればデスクから離れて、歩いたり階段の昇り降りをしたりしながら腕を大きく振ってみましょう。全身運動にもなり、目と肩の状態の改善につながります。
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