「捨てればごみ、分ければ資源」といわれるように、使い終えた容器包装ごみを正しく分別(ぶんべつ)すれば貴重な資源となり、資源循環の促進につながります。しかしながら、容器包装ごみの分け方や出し方には頭を悩ませる方が多いようです。そこで今回は容器包装ごみを分別する理由や、その方法について解説します。
Q 容器包装ごみをなぜ分けるの?
A 分別とは容器包装ごみを種類別に分けて出すことです。正しく分別して排出することでリサイクル可能な資源が増えれば、焼却や埋め立てにより処理されるごみが減るため、最終処分場の延命につながります。実際に容器包装ごみをリサイクルしたことによって、この25年の間に、最終処分場の残余年数が8・5年から22・4年に延びました。
さらに、分別排出のときに少しの手間をかけ汚れや異物を取り除くことでリサイクル率は向上します。前号(第7回 容リ法における「リサイクル」とは?)でお伝えしたPETボトルを例にすれば、正しく分別された使用済みPETボトルからは、品質の良い再商品化製品(ペレットやフレーク)がつくられ、高品質繊維などへの高度なリサイクルが実現できるのです。加えて、リサイクルの洗浄工程で使用する水や電力の削減にも寄与します。
Q 正しい分別方法を教えてください
A ①リサイクルマークを確認すること。これらのマークは「識別表示」と呼ばれるもので、消費者が容器包装ごみを出すときの分別を分かりやすくするために付けられています。識別表示の異なる容器包装は一緒にしないでください。
②さっとすすぎ、キャップやラベルを取り外し、横から軽くつぶすこと。なお、手で容易に分離できるラベルは取り除いていただきたいのですが、剥がしにくいものは無理に取り除く必要はありません。
③ごみを混ぜないこと。PETボトルの中に、たばこの吸い殻や注射針などのごみを入れたまま出さないでください。
④お住いのまちのルールに従って出すこと。ごみの分け方、出し方は市区町村によって異なるからです。
SDGsでは、持続可能で安心して暮らせる世界を目指すことを目標としています。国際的な取り組みと捉えると少し遠く感じてしまいますが、ごみの分別排出を通して見ると日常的な事柄です。皆さんが行っている「正しい分別」の継続が容器包装リサイクル、そしてSDGsに貢献しているといえるのではないでしょうか。
これまでの連載はこちら(日商Assist Biz) ▶ https://ab.jcci.or.jp/series/4164/
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 ▶ https://www.jcpra.or.jp/
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