容器包装リサイクル法(容リ法)の目的には、「容器包装廃棄物の排出の抑制ならびに分別収集物および再商品化を促進することにより」とありますが、「容器包装廃棄物の排出の抑制」に関する具体的な規定は2006(平成18)年の容リ法改正により追加されました。
今回は、容リ法における容器包装廃棄物の「排出抑制」の促進について解説します。
消費者の意識向上 事業者との連携を促進
改正容リ法では容器包装廃棄物の排出抑制の促進のため、「消費者の意識の向上・事業者との連携を図るための取り組み」と「事業者の自主的取り組みを促進するための措置」が定められました。消費者の意識の向上・事業者との連携を図るための取り組みとしては、環境大臣に対し、環境負荷の少ないライフスタイルを提案しその実践を促す影響力のある著名人やオピニオンリーダーらを「3R推進マイスター」として委嘱することを定めるとともに(第七条の二)、容器包装廃棄物の排出の状況・排出抑制の取り組みの重要性に関する啓発、消費者への指導・助言などを行うことを定めました(第七条の三)。
事業者の自主的取り組みを促進するための措置としては、国が排出抑制のために取り組むべき措置の判断の基準となる事項を示し、レジ袋などの容器包装を多く利用する小売業者(指定容器包装利用事業者)に対し、容器包装の使用合理化のための目標の設定、レジ袋の有料化やマイバッグの配布などの取り組みを求めることとしました(第七条の四)。
資源の有効活用へ レジ袋有料化を実施
レジ袋の有料化については、容リ法の取り組みに基づいて当初は地方自治体および企業の一部のみで実施されていました。2019(令和元)年に政府が「プラスチック資源循環戦略」を策定すると、その戦略の一つとしてレジ袋の無料配布を禁止し、消費者のライフスタイルの変革を促すこととされました。
それを受け、20(令和2)年7月に国の判断基準が改正(※)され、対象のレジ袋は全国一律で有料化が義務となりました。なお、有料のレジ袋であっても商品ではなく容器包装として扱われるため、容リ法では再商品化義務の対象となります。
容リ法というと容器包装の再商品化によるリサイクル制度の構築に主眼が置かれます。しかし、排出抑制という観点からも容器包装ごみの減量や資源の有効活用への取り組みが求められており、容リ法が私たちの生活に大きく影響していることが分かります。
※20年7月の改正についてはこちら
https://www.jcpra.or.jp/Portals/0/resource/aboutlaw/R1/20191227-0195.pdf
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会▶https://www.jcpra.or.jp/
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