最近、かつて半導体産業の盟主であった、米インテルの業況が芳しくないようだ。背景に、世界の半導体産業を取り巻く環境の変化がある。スマホの世界的なヒットなどを契機に、パソコンが中心だった需要は大きく変化した。さらに近年、スマホからAIへと変遷している。
それに伴い、有力半導体企業は、企画・設計から生産・販売まで全て自前で行う「垂直統合型」のビジネスモデルを変化させた。具体的には、各企業が自社の最も高い優位性を生かし分業体制で事業を進める「水平分業型」に変えている。それぞれの企業が相対的に狭い分野に特化し、ネットワークをつなぐ分業体制には、環境変化に対応しやすいメリットがある。現在では、先進半導体の生産を大手から引き受ける受託制度が、世界の半導体業界の中で主流を占めつつある。