何となくおなかが張っている、このところ便秘がちだ―。そんな不調の背景に、「腸疲労」が隠れているかもしれません。腸疲労は、医学的な病名ではありませんが、腸の機能低下によって腸がうまく働かなくなった状態を指します。
腸は、食べ物を消化・吸収するだけでなく、有害物質の侵入を防ぐバリアの役割も担っています。しかし、睡眠不足やストレス、食生活の乱れなどにより腸内細菌のバランスが崩れると機能が低下し、便秘や下痢、おなかの張りといった不調が起こりやすくなります。さらに、慢性的な疲労感や肌荒れ、風邪をひきやすいなど、全身に影響が及ぶこともあります。
特にこれからの暑い季節は、腸疲労が起こりやすい時期です。冷房の効いた室内で長時間過ごしたり、冷たい飲み物を取り過ぎたりすると、腸が冷えて血流が悪くなります。また、食欲低下からそうめんなど単品中心の食事になり、栄養バランスが偏ることも原因の一つです。
腸疲労を防ぐには、まず「腸を休ませる」ことが大切です。お勧めなのが、夕食から翌朝の朝食まで12時間ほど食べない時間をつくること。腸が休息することで、本来の働きを取り戻しやすくなります。また、暴飲暴食を避け、できるだけ規則正しく食事を取ることも基本です。
食事内容にも気を配りたいところです。納豆やヨーグルトなどの発酵食品、野菜や海藻類に含まれる食物繊維、オリゴ糖などは善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える助けになります。一方、「三つの『あ』」(アルコール、甘いもの、脂っこいもの)の取り過ぎには注意。胃もたれがあるときは、揚げ物や刺激物を控え、消化の良い食事を意識するとよいでしょう。
水分補給は冷たいものを一気飲みせず、常温や白湯(さゆ)を小まめに飲むのがお勧めです。適度な運動も腸の血流を促し、ぜん動運動を活発にするため、散歩や軽いストレッチなどを日常に取り入れたいものです。
もし、疲労感やおなかの張りなどの症状が1カ月以上続く、下痢や便秘を繰り返す、体重減少や血便がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。市販薬を選ぶ際も、CMの印象だけで決めず、薬剤師に症状を相談することが大切です。

